賢く特許をとる方法(その1)
2018.7.3
賢い特許をとり方は、審査官の審査における思考に沿った特許明細書であることが必要です。
すなわち、賢い特許のとり方の1番目としては、先行文献との構成上の違いとその違いによる効果を明確に訴求することです。
例えば、特許出願が初めてかあまり数多く出されていない方の場合、ゼロから発明に至った動機や経緯を熱く語られ、特許明細書にも記入するように要望されることがあります。たしかに発明に至った動機や経緯は大切なことですが、審査官の審査における思考とは異なっています。審査官は特許請求の範囲に書かれた発明に対して、過去にどうのような先行文献があるかを調査し、その結果見つけた当該発明に最も近い先行文献を審査のスタート地点に設定します。そして、この先行文献と当該発明との違い及びその違いに基づく効果を検証し、効果を認めたら特許査定します。
つまり、発明の動機をスタート地点にするか当該発明に最も近い先行文献をスタート地点にするかにずれがあります。このずれを極力なくすために、先行文献調査をしっかり行い、見つけた先行文献」との違いと効果を明確に特許明細書に記入して、審査官が特許査定しやすい状況をつくりあげることが成功への近道、すなわち、賢い特許のとり方になります。