出願前調査のコツ(1)
2021.2.22
特許を出願する前に、その分野の先行特許文献を調査することはたいへん重要なことです。しかしながら、慣れないと調査に時間が掛かりすぎたり、肝心の文献を発見できなかったりすることがあると思います。
この出願前調査を簡単にでき、しかもできるだけ漏れない調査方法をお教えします。それは、ずばり3近傍検索です。つまり、Aという言葉とBという言葉とCという言葉が出現する言葉間の文字数を限定して検索する方法です。
特許にはよく、AとBによりCすることができる、等のように、構成と効果を記載しているところがあります。ここをひっかけるわけです。例えば、A=鉛筆、B=消しゴム、C=消す、として、「鉛筆に消しゴムを取付けたことにより、書いた文字をすぐさま消すことができる。」のような場合、A(鉛筆)とB(消しゴム)の間の文字は「に」だけですので、文字数は1になります。また、B(消しゴム)とC(消す)の間の文字は「を取付けたことにより、書いた」ですから文字数は14になります。
この場合は、A(鉛筆)とB(消しゴム)の間の文字数を余裕をみて10文字、B(消しゴム)とC(消す)の間の文字数を余裕をみて30文字と設定して検索すると、上記の文章を含む文献がヒットすることになります。
3近傍検索は、ごみが混じることが比較的少ないのでお勧めです。それでもごみが多い場合は、FIやFタームを組み合わせて検索するとよいでしょう。
ちなみに、J-Platpatで検索する場合の上記の検索式は、(鉛筆,10N,消しゴム),30N,消す/TXになります。